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設立趣旨書 |
近年、社会の中では少子化、核家族化、また生活習慣の変化に伴い、生活の場としての街、あるいは自治会や子供会などといったそれまでの枠組みには大きな変化が来ています。子供達をとりまく環境の変化にも同じ事が云えるでしょう。
「見知らぬ隣人」を数多く生み出したこの社会の変化は、それまでの学校と家庭という本来双方向で成り立っていた関係に軋みを生じさせ、過去には考えられなかったような子どもを対象にした事件が多発するようになりました。
今、教育の現場ではさかんに「ゆとり教育」あるいは「開かれた学校」として、学校・地域・家庭の協力体制、特に地域との活発な関わり合いが叫ばれています。
古今東西、人間社会では最も小さな自治体でのお祭りから、リオのカーニバルのような世界的な祭典まで、様々な規模や形態で祭りを行ってきました。これは、各々の時代や地方風俗の中にあって「祭り」という非日常的な空間を提供することにより、ひとりひとりのダイナミズムを呼び起こし、日常生活への活力を得るという、人間の基本的自由や解放感といった、ごく自然な欲求を満たしていたからだと思います。
久留米市において、どの神事にも属さない市民祭として、それまで市内のあちこちでバラバラに行われてきた祭事を束ねる形でスタートした「水の祭典久留米まつり」は2001年をもって連続30回の歴史を重ねるに至りました。久留米市一番の目抜き通りである「明治通り」を丸一日歩行者天国にして行うこの祭りは、2001年度出場者数25,000人余、参加総数510,000人余と、その規模と歴史において久留米では過去最も大きいまつりに成長しました。
最初の年に参加した小学生は今や40前後の壮年期を迎え、その子供達がまた、この祭りに参加しています。
現在の水の祭典久留米まつりは、久留米市からの補助を受けてはいるものの、その予算の過半数を市民の募金等によって運営していることもさることながら、「くるめ水の祭典振興会」という市民による任意の団体で企画・実行し続けている歴然とした市民の手による市民の祭りです。
この祭りの実際の運営に関しては、その財務の部分を担う久留米商工会議所、久留米市観光コンベンション協会が担っている事務局、各自の自由意志によって市民ボランティアとして参加している実行委員会スタッフで、現在の処行ってます。
現在施行されている「特定非営利活動促進法」は、このようなそれまでの個人・企業・行政という枠組みだけでは円滑に動かすことの出来ない事に対して、新しい価値観を生み出す可能性を創出しました。
今回、営々と歴史を重ねてきたこの「水の祭典久留米まつり」を特に人的ネットワークの点から支援し、祭り本来の意義である、市民ひとりひとりの情感を爆発的に自己表現し、そのことによって心を解き放ち、活性化をはかるため、またもっと分厚く多角的に、新しい時代の市民が自ら愛着をもてる様式を構築するため、特定非営利活動法人くるめ水の祭典ガマダスの設立を熟慮の末決意するものです。
「ガマダス」とは広く筑後地方一帯で使用されている方言であり、「我慢出す、何にても身をなげうってつとめ働く」の意味で、まさしく熱を入れてまつりを行う、に通じます。
また、特に青少年には地域に根ざした「祭り」を経験することによって、ふるさとへの愛着が深まり、豊かな情操や郷愁といった精神的土壌を育むことが出来るものと確信します。祭りが包括する「太鼓」や「歌舞」といった民俗芸能を伝承していく中で、子供達を中心に地域との関わりを深め、より密な人間関係を構築し単なるイベントではなく、ひとりひとりが自分たちの祭りとして心待ちにするようなステイタスを持ち得るため、また常に新しい時代の新しい生活者としての新陳代謝を押し進めていくためには、単なる個人の市民ボランティア活動からもう一歩進めた「特定非営利活動法人」の組織化が非常に意味を持ってくることと考えます。
以上の趣旨により、特定非営利活動法人くるめ水の祭典ガマダスを設立しようとするものです。
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Produced by;KURUME MIZU no SAITEN GAMADAS NPO.
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